大腸がんの検査方法
・ 便潜血反応
大腸がんの症状の特徴として、大腸からの出血があります。便潜血反応では、少量の便を取って便内に潜血反応が無いか検査をします。便潜血反応だけでは見つからないがんやポリープも多いため、他の検査と合わせて利用するのが良いでしょう。
・ 直腸診
医師が人差し指を肛門に挿入して行う検査です。肛門から5cm程の下部直腸部分にがんやポリープが無いかを調べます。しかし、全長で150cmほどの大腸のうちの5cm程しか検査できないため、しっかりと調べたいときは造影検査や内視鏡検査を受けるのが良いでしょう。
・ 注腸造影検査
大腸のレントゲン検査です。細い管を肛門に挿入して造影剤と空気を注入して検査します。造影剤を大腸粘膜表面に付着させるために体を回転させてから、レントゲンを撮影して異常が無いかを調べます。
・ 大腸内視鏡検査
肛門から直径11~13mm程の内視鏡を入れて、大腸全体を精密に検査する方法です。大腸内視鏡検査をすることで、大腸や直腸のがんやポリープだけではなく、腸に関する病気を発見できるというメリットがあります。
・ CTコロノグラフィ
大腸3DCTとも呼ばれる検査で、肛門から大腸と直腸内に空気を入れてCT撮影を行います。内視鏡で実際に見るような精密な画像を構成して行う検査方法です。検査当日は、お尻から空気を注入して、仰向けとうつ伏せでCT撮影をします。
・ カプセル内視鏡
2014年1月から保険適用になった検査方法です。カプセル状の内視鏡を水と一緒に飲み、その後の腸管内部を内蔵の小型カメラで撮影していく検査方法です。痛みが無いため、麻酔の必要が無く、レントゲンのような放射線被ばくの心配もありません。主に大腸内視鏡検査が困難な方が健康保険の対象です。
・ MRI
強力な磁石のトンネルのようなものに入って臓器を撮影する検査で、直腸がんで肝臓への転移の疑いがある場合に行います。CT検査では発見できない小さながんも見つけられるため、腸に近い膀胱、前立腺、骨盤、子宮などへのがん転移が無いかも検査できます。
・ PET
点滴で検査薬を投与し、体内の細胞のうちがん細胞だけに目印を付けます。撮影すると、目印のついた細胞がどこにあるかが分かるようになっています。PET検査によって、早期の小さながん細胞を発見できるようになり、治療開始を早められます。
・ 腫瘍マーカー
腫瘍マーカーの数値を確かめることで、がんの有無を推定します。大腸がんでは、CEA、CA19-9、p53抗体といった物質を腫瘍マーカーとして検査します。