がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

がん保険

■ がん保険とは
 がん保険と一口に言っても、保険会社によって保障の内容・特徴は大きく異なります。 共通している特徴としては、以下の3点です。

・がんになったときの保障に特化している(がんのみ保障)
・「入院給付金」の上限日数が無い(日数無制限)
・免責期間が(保障開始後3か月間の不填補(ふてんぽ)期間)がある

特にがん保険は他の保険には無い特徴として、3か月間の免責期間があることです。この期間に、がんと診断された場合、保障を受けることができませんので、加入時には注意が必要です。

 保障の内容としては、がんと診断されたらまとまった一時金が受け取れる「診断給付金」のほか、「入院給付金」「手術給付金」「通院給付金」、最近では、先進医療技術に対応できる「先進医療特約」などがあります。ただ、これらの保障の組み合わせはさまざまで、がんの治療自体が日進月歩でどんどん変わっていくこと、治療に対する考え方の違いなどから保険会社によって特色が違う商品を出しています。一部の自由診療によるがん治療を対象にしたがん保険も販売されています。

■ がん保険の選び方
 保険会社により多様ながん保険が販売されています。がん保険を考えるためには、まず現在のがん治療の現状について知っておくことがとても重要です。がんの治療にどのように備えるのか、治療に対する考え方で、がん保険の選び方が変わってくるからです。がん治療の現状として、まず知っておきたいこととして「入院日数の短期化」「抗がん剤治療」「先進医療」があります。

 ・入院日数の短期化・・・近年、がんの患者数が年々増える一方で入院患者数は減少しています。医療技術の進歩やそれに伴う早期発見、治療の多様化などさまざまな要因がありますが、2006年の医療制度の改革によって国が医療費の適正化を目指して入院日数の短縮化をはかっているということも少なからず影響しています。こうした入院の短期化によって通院での治療に移行しているのが現状です。

 ・抗がん剤治療・・・一般的ながんの治療方法としては「手術療法」「薬物療法」「放射線治療」があり、その中で薬物療法にあたるのが抗がん剤治療です。がんの病巣を手術で切除する手術療法のあとに、手術などでは取りきれない場合に抗がん剤を続けて投与することが多く、効果が出るまでに時間がかかり治療が長引くことから、がん治療費が高額になる一因ともいえます。抗がん剤治療は、やはり身体に負担がかかるがん治療ですが、最近では副作用に対処する療法も出てくるなど、抗がん剤治療の内容は、目まぐるしく更新されています。

 ・先進医療・・・最近のがん治療の中で注目されているのが先進医療です。先進医療とは、公的医療保険認可前の、高度な医療技術を用いた治療方法のことです。まだ認可前のため自由診療で自己負担が高額になってしまうことから、先進医療の保障を特約として付加できるがん保険が増えています。ただ、先進医療はすべてのがんに有効なものではなく、あくまで治療の選択肢を広げる治療方法の一つだということを覚えておきましょう。

>>厚生労働省HP:先進医療を実施している医療機関の一覧

■ がん保険のメリット・デメリット
 がん保険は、もしもの際にがん治療を手厚くサポートできるのが最大のメリットですが、その反面、がん治療の進化に伴い、加入しているがん保険の保障内容が古くなってしまうというデメリットも存在します。一度がんにかかったら以後の保険の加入が難しくなることが多いのが、がんという病気です。そのため、早めに準備しておくことは大切ですが、定期的に内容を見直すことも忘れずに行いましょう。
・ がん保険は、昭和49年にA社が日本で初めて販売した。以後、同社は順調に保有契約件数を伸展させ、がん保険の保有シェア1位を継続している。医療保険の販売が飽和する中で、各社が様々ながん保険を導入し販売をするようになったのは、最近数年の出来事である。したがって、商品の変遷を知る上では、40年のがん保険販売の歴史をもつA社の商品変遷を観察しておくことで代替できる。
 すべての疾病の入院費用を保障する医療保険の延長線で、がん保険が開発されているため、導入当初の商品は入院を保障するもので給付形態も日額給付であり、特に通常の医療保険と大きく変わるものではなかった。しかし、がん医療は変化し、入院日数も短縮化している。治療技術、健康保険制度も変化したため、何度も商品改訂を経て現在のタイプの商品へ内容を変化させてきたのである。現在では、多くの会社が様々ながん保険商品を展開しているが、いずれも基本的な商品構成に大きな違いはない。詳細に各社の約款を確認すると保険事故の定義が微妙に異なっている点や、通算の給付金額が異なる点などは確認できる。がん患者に必要な給付金は様々で、細分化された給付金を用意することは定額給付といえども実損補填に近い商品構成になっているとも言える。また、募集人にも、各種給付金の存在によってがん治療の必要保障額を顧客に説明できる利点があるはずである。

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