がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

免疫記憶

 免疫記憶B細胞、記憶キラーT細胞、記憶ヘルパーT細胞、現在では、これらの細胞が存在することは確かであろうとされている。まず、抗原刺激により、ナイーブB細胞、ナイーブキラーT細胞、ナイーブヘルパーT細胞が抗原特異的に活性化され、増殖する。増殖した細胞はそれぞれの役割を果たすべく一生懸命に働く。この時期の細胞を各細胞の「エフェクター細胞」とよぶ。働く細胞、という意味合いである。一方、増殖した細胞の一部は記憶細胞になる。
 抗原が排除されると、エフェクター細胞はやがてアポトーシスによって死んでしまう。一方、記憶細胞はそのまま生き続けて、次の抗原侵入に備える。同じ抗原がつぎに侵入した時、これらの記憶細胞が抗原特異的に活性化される。記憶細胞はすぐにエフェクター細胞に分化できる位置にあることと、ものによってはすぐにエフェクター機能を発揮できること、ナイーブ細胞に比べて数が多いことなどから、2回目の反応は迅速かつパワフルに起こるとされている。ただし、各過程のメカニズムは詳しく分かっておらず、未だ研究段階である。

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