自然免疫と獲得免疫
-免疫システムには自然免疫と獲得免疫の2種類がある-
細胞の表面には受容体という外部刺激を受け取る構造がありますが、免疫細胞の表面にある受容体は異物の存在をいち早く感知し、それを免疫細胞に伝えることで異物を排除します。この仕組みを「自然免疫」と言います。身体の中に入ってきた異物をいちばん最初に発見して戦う、生体防御の最前線部隊です。「獲得免疫」は、さまざまな異物に接触することでそれを記憶し、再び同じ異物に接触したときに効果的に排除する仕組みです。この特性から、適応免疫とも呼ばれています。近年では研究が進み、自然免疫が獲得免疫に異物の情報を伝達していることが分かってきました。異物と最前線で戦う自然免疫が第一防衛ライン、バックに控える獲得免疫が第二防衛ラインといったイメージでしょうか。このように、2種類の免疫が協力して身体を異物から守っています。