がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

白血球

→ 血球の中で、主に免疫を担当する細胞群のことを白血球と呼びます。分類すると、顆粒球・リンパ球・単球に分けられます。

→ 血液細胞の中には、赤血球と白血球があることが良く知られています。赤血球は、主としてヘモグロビンによって酸素や二酸化炭素を運ぶ役割をしています。一方、免疫システムを司っているのが、白血球です。よく白血球が少なくなると、病気にかかりやすくなると言われています。「免疫機動隊」の兵力が減少した状態ですから、進行してきた敵に勝てなくなるのは当然でしょう。
 白血球は、①マクロファージ、②リンパ球(B細胞、T細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞など)、③顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球がある)、以上3つの免疫部隊で構成されています。体内に敵(細菌などの異物)が入ってくると、まず好中球が敵に食いつき酵素という武器を使って攻撃します。好中球がもてあました敵の相手をするのが、好中球よりさらに強い、貪食細胞と呼ばれるマクロファージです。マクロファージは、敵を飲み込み、無毒化、消化などの働きをすると同時に、敵の特徴をリンパ球(T細胞)に伝える役目をします。
 リンパ球の中には、B細胞とT細胞という精鋭部隊があります。T細胞の一部は、マクロファージから伝えられた敵の情報を、さらに細かく分析して、B細胞に伝えます。B細胞はT細胞から伝達された情報をもとにして、敵を攻撃する抗体というタンパク質を作ります。その抗体が、敵である抗原に結合すると、抗原抗体反応という戦いが始まります。抗原抗体反応の身近な例は、インフルエンザワクチンです。
 マクロファージは基本的に血液中で活躍していますが、外敵に近い皮膚や組織や肺、腸管などには樹状細胞がいます。大樹のように枝を広く張っている姿から樹状と呼ばれています。樹状細胞はマクロファージ同様、異物が入ってくると、すぐに察知してその特徴を攻撃部隊のT細胞に伝えるという伝令役を務めています。
 T細胞には、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞などがあります。ヘルパーT細胞は、B細胞に指令を出して抗体を作らせる他に、敵への攻撃指令をキラーT細胞に出します。キラーT細胞は、敵とみなした異物を攻撃し、制御性T細胞がそれにブレーキをかける役目をします。リンパ球は、基本的にマクロファージ、樹状細胞からのメッセージを受けて、活動を開始します。

 当院では、LAK療法NK細胞療法など(いずれも「自由診療」となります。)、主要な免疫を司るリンパ球を利用した免疫療法を患者さん(健康な方がんに罹患されている方)に提供しています。リンパ球の数や活性を高めて患者さんの免疫力を上げることにより、結果的にウィルスや細菌感染への抵抗力を高めることを目的としています。詳細は、お電話にてお問い合わせください。

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