がんと免疫のお話し
Cancer and Immunity

膵臓の役割

 膵臓は胃の裏側と背骨との間に存在している横に細長い臓器で、成人なら長さが15cmから20cm程度、重さは60gから100g程度で淡い黄色をしています。本人側からみて右側にある膨らんだ部分が、十二指腸に隣接する膵頭部と呼ばれる箇所です。反対に膵尾部と呼ばれる左側は細くなっており、脾臓が隣に存在します。膵臓の中央は体部と呼ばれ、膵管という細長い管が脾臓全体を貫くように網目状に走っています。膵臓には、主に以下の2つの役割があります。

  ・ 消化液(膵液)の産生
 食後に糖質やタンパク質、脂肪など分解する酵素などが含まれる膵液を分泌します。膵液は膵管・主膵管を通って運ばれます。その後、十二指腸乳頭で肝臓から総胆管を通ってくる胆汁と一緒に十二指腸へと流れていきます。

  ・ 血糖値の調節をするホルモンの産生
 膵臓からは糖の代謝に必要なインスリンやグルカゴンといったホルモンが分泌されます。インスリンは血液中の糖をエネルギーに変えるはたらきをもち、不足したりはたらきが弱くなったりすると高血糖をまねきます。反対に、血糖値が低くなったときはグルカゴンが分泌され、肝臓で糖がつくられるようになります。

このように、膵臓が2つの役割をはたすことによって、食物の消化吸収やエネルギーの産生がコントロールされています。

>「膵臓がんとは?」ページへ

>「膵臓がんの進行度による分類」ページへ

>「膵がんの治療」ページへ

一覧はこちら